ドイツ年間ゲーム大賞2022キッズ部門受賞作です。

山の麓にいる偉大な魔法使いは、とても強力な杖を持っています。
悪い魔女たちがこの杖を狙っています。
私たち魔法学院の生徒たちは、悪い魔女が麓に着く前に、魔法使いに狙われていることを伝えられるでしょうか?

山の上から魔法の球を転がし、生徒たちを山の麓に導きます。
でも、魔法の球のコントロールは難しく、時には魔女を進めてしまうことも。

狙った通りに魔法の球を生徒たちに届けることができるのか、みんなで相談しながら進める協力ゲームです。

青ポーンのゲームは、信頼しているのだけれど、子供たちも少し大きくなったせいか、どうもこのゲームはときめかなかったんですよね。
ボールを転がすだけかぁと。
インパクトはあるし、子供にはウケがよさそうだなとは思いましたが、私は『クアックスと仲間たち』を推してたんです。

とはいえ権威ある賞の受賞作なので、遊んでおかねば。
なんだかんだ気になっていたので、購入しちゃいました。
受賞作はやはり偉大なのか?レビューしたいと思います。

大好きな『クアックスと仲間たち』のレビューはこちら


ZAUBERBERG-top

わたし 喋る S
いかっぱ
実際に遊んでみてすごく優秀だった『クアックスと仲間たち』を超えられるのかな?
見た目のインパクトはかなりありますね~。


【この記事でわかること】
・遊び方
・実際に遊んいる6歳・8歳の様子
・狙った通りに落とすのは、なかなか難しいんですよ




基本情報

対象年齢:5歳以上
対象人数:1~4人
プレイ時間の目安:15分
BGGの評価:Magic Mountain

内容物

・ゲームボード 1枚
・生徒コマ 6個
・魔女コマ 4個
・台 4つ
・袋 1つ
・ゴールタイル(両面) 1枚
・魔法の球 5個(赤、黄、青、紫、白)

およその箱サイズ(cm):29.5×29.5×7(たて×よこ×高さ)

ルール

準備

台をボードの指定された場所に取り付けます。

ZAUBERBERG-setting

ゴールタイルをボードの下側に置きます。
ZAUBERBERG-prepare
通常ルールでは、生徒のマスが4つ、魔女のマスが3つものもを使用します。

生徒のコマ6つをコースの一番上の生徒のマークが描かれたマスに置きます。
ZAUBERBERG-students

魔女のコマを魔女のマークが描かれたマスに置きます。
ZAUBERBERG-witchs

魔法の球5つは袋に入れます。

遊び方

順番に手番を行います。
手番では、袋から1個、魔法の球を取り出します。
ZAUBERBERG-magicball

そして、みんなと話し合いながら、どのスタート地点から始めるかを決めます。
ZAUBERBERG-start

魔法の球が生徒もしくは魔女にぶつかると、山道に沿ってそのコマを魔法の球と同じ色の次の空いているマスまで移動させます。
ZAUBERBERG-rule

魔法の球は、次々に複数のコマにぶつかることもあります。
この場合は、ぶつかった順番にコマを移動させます。
ZAUBERBERG-rule2

素早くコマを移動させれば、同じコマに2度球がぶつかることがあります。

魔法の球がどのコマにもぶつかることなく下側に到達してしまったら、魔女を1つ選んで1マス進めます。
魔法の球が途中で止まってしまった場合は、正しい方向に少し動かしてあげます。

魔法の球が一番下に到達したら、とりあえずそのままにして置きます。
5個のすべての魔法の球が一番下に到達したら、全てを袋に戻します。
ZAUBERBERG-magicball bag

生徒か魔女が魔法の球にぶつかり、その先に対応する色のマスがもうない場合、そのコマをゴールタイルの生徒か魔女のマスに置きます。
ZAUBERBERG-rule3


ゲームの終了

3人の魔女がゴールタイルに置かれる前に、4人の生徒がゴールしたらみんなの勝です。
4人の生徒がゴールする前に、3人の魔女がゴールしてしまったら、みんなの負けです。
ZAUBERBERG-end

より挑戦的なゲーム

ゴールタイルの裏面を使用します。
ゴールさせる生徒の数、魔女の数を変更することにより、レベル1~5までの難易度で遊ぶことができます。

生徒コマ4つ、魔女コマ4つを使用し、生徒チーム対魔女チームに分かれて遊ぶこともできます。

6歳・8歳の様子

まずは私が1人でルール確認に球を転がしていたら、やっぱり「何それ?」「やってみたい!」と興味津々の子供たち。

ルールは、山の頂上の6か所のうち1か所を選んで、球を転がすだけなので、とっても簡単。
でも、球がぶつかった後、どう動かすのかは、ちょっと難しいですね。
次の同じ色のマスに行けばいいのですが、他の生徒や魔女がいたりすると、一気に先のマスまで飛びます。
ぶつかったら都度、「次はここになるね」って確認しながら遊んでいます。
同じコマにぶつかれば理解しやすいのですが、次にぶつかったコマが最初にぶつかったコマと違うコマの場合は、より難しく感じるようです。
慣れれば例外のない単純なルールなんですが、確かに最初はちょっと考えてしまいます。

スタート時点では、生徒と魔女の間に、それぞれの魔法の球の色のマスがあります。
まずはそこに進めたいので、転がす球と同じ色のマスの手前にいる生徒のいるところからスタートして連鎖を狙います。
この時の印象が強く残るのか、生徒や魔女が山の下の方に動いていても、すぐ手前に同じ色のマスがあるスタート地点を選んでしまいがちです。
何度か「生徒にぶつけられそうな所を選ぶんだよ」と伝えていますが、感覚的に色を優先してしまうようです。
私も慣れるまでは、なんとなく色につられていたので、気持ちはよくわかります。
スタート地点が生徒の背中じゃなければ、こんな混乱は起こらなかったのかなぁとも思います。

8歳の娘はすぐに動かし方も理解できて、こっちのほうがいいかなとか話し合いながら遊ぶことができました。

球がぶつかったコマを素早く動かせば、また同じコマにぶつかって、さらに進めることができます。
でも、これって常に素早く動かす必要があるのでしょうか?
魔女の時は連鎖させたくないので、ゆっくり下に転がるのをまって動かしていいのでしょうか?
この辺はあいまいですね。

6歳の息子は問題なくコマをつまんで、次のマスに置くことができます。
もう少し小さかったら、慌ててて次のマスに置くときにコマを倒しちゃったり、他のコマにぶつかって倒しちゃったりとかが起こりそうです。
息子もたま~にマスにちゃんと置けてなくて転がっちゃったとかあります。
素早く動かして連鎖を狙うのは、小さい子だと難しいかもしれませんね。

息子にとっては、パチンコのような楽しいおもちゃだったようで、ゲームをルール通り遊んだ後は、自由にコマを置いて好きなところから落として遊んでいました。
一気に5つの球をスタートさせて、どの球が一番速いかとか。

そんな遊び方をしていたからか、ゲーム内でもスタート地点からどのように球が転がるかを、指でルートをなぞりながら予想を立てる姿が見られるようになりました。
ルートは私が考えるものと大方同じなので、このくらいの年齢なら球の転がり方に予想を付けられるんですね。

むすめ 喋る S
むすめ
どっちに転がるかな~っていうのが楽しい!
下の方に行くと、ぶつけるの難しくなるよね。


むすこ 喋る S
むすこ
転がすの楽しい!どっちに行くなかな?って。
魔女にぶつかっちゃたりすると「あれ?」ってなる。


親目線のレビュー

転がすだけの小さい子向けのゲームかなぁと思っていました。
なんで、これが大賞なんだ!と。

遊んでみたら、けっこう難しくて、大人もちゃんと楽しい!
思うように球が転がらなくてヤキモキするし、うまく行けば大人だって嬉しい。
予想外の連鎖がおきると大盛り上がり!
ただの偶然で終わらせずに、ゲームとして落とし込んでいるなと感じます。

1人で黙々と練習しちゃったりしています。 もはや競技!?
魔女に当てないようにとか、魔女にわざと当てて軌道を変えてとか、けっこう奥深いんですよ。

とはいえ、球の動きが予想出来そうで出来ないので、まぁ戦略とかはあまりなく、みんなでワイワイ遊ぶ感じですね。
右側から落とすか左側から落とすかは、生徒や魔女の配置を見て決められるのですが、端にするかその隣にするかは、もうどっちがいいかわからんって感じです。

難易度は、通常ルールのほかにレベル1~5まであります。
通常ルールは確かに慣れてくれば、あまり負けなくなりますが、上達すればレベル5まで徐々に強くなれるかっていうと、やはり運としか言えないですね。

1人で黙々と練習していると書きましたが、日本語の説明書には2~6人用となっています。
しかし、箱や原文の説明書には1~4名となっているんです。
BGGでも1~6人と1人用対応になっていますね。
味方との協力については、話し合うっていうだけなので、正直1人でも何人でもいいです。
やっぱり自分で球を転がすのが楽しいので、複数で遊ぶなら2~3人くらいがいいんじゃないでしょうか。
自分の番がなかなかこないと退屈しちゃいます。

気になる点としては、魔女だけじゃなくて生徒コマの顔が怖いこと。
可愛くキャラクター化させる必要はないんですが、もうちょっと可愛くできなかったんですかね。
クリクリのお目目にしているんでしょうが、なんか怖いんですよ。
なんなら、魔女の方が目は可愛い。
偉大な魔法使いの後ろ姿は、もっと可愛い。

結局、キッズ部門受賞を納得したのかと言われると、う~ん、微妙。
もちろん楽しかったですよ!
普段ボードゲームで遊ばない子でも、すぐに遊べるし、ルールは転がすだけだし。
子供の心を掴むのはどっちかと言われれば、こっちだと思います。

でも、『クアックスと仲間たち』が運要素もありながら、けっこう考えるところも多くて長く遊べそうなので、私的にはやっぱり受賞作は『クアックスと仲間たち』であって欲しかったんですよね。

まったくタイプが違うから、良さを競うのは難しいですね。
最近はこういったコンポーネントで魅せる系、おっと思わせる系が受賞してますね。
2023年とかもそう。


過去の受賞作を遊んだ時のレビューまとめ記事はこちら


わたし 喋る S
いかっぱ
この「右に行って~!!そっちなのぉ」ってなる球の転がり方は、遊ぶ価値ありです。
球の色を自由に選べたら、もうちょっと戦略性が出る気もするんですが、どうなんでしょう。